次に、市長の公約である
歳入アップに関連して、新産業の創出についてお尋ねいたします。本市を含む地域では、産学連携の歴史は古く、戦前から東北大学の
技術シーズを生かして金属材料系などの産業が発展しております。戦後におきましても、
東北産業技術開発協会による青葉山の
共同研究施設、
テクノポリス構想による21
世紀プラザ研究センター、
東北インテリジェント・
コスモス構想によるR&D、科学技術振興事業団の
研究成果活用プラザ、東北大学の
未来科学技術共同研究センター、いわゆるNICHeです、このNICHeなど、
東北大学等の
研究開発機能を生かした産学あるいは産学官による技術開発や起業化などの取り組みが行われてまいりました。それぞれの事業構想は、その都度関係者が大きな期待を抱く中でスタートするのでありますが、企業化に至る例は少なく、内発的な産業振興の難しさが折に触れ語られてまいりました。
そこで、市長にお尋ねしたいのでありますが、本地域の産学連携による産業振興がなかなか思うような成果を上げられない、この原因は何か。産業振興の
専門省庁出身者としてどのようにお考えなのか、御認識をお伺いいたします。
さて、本市では、平成十四年六月に、仙台市新
産業創造プランを策定、十五年四月に
産学連携推進課を設置し、本市として大きな一歩を踏み出し、新
産業創造プランに基づく施策を展開しつつあります。産学官の連携による新産業の創出は、仙台の未来を左右する重要なテーマであり、積極的に推進すべきと考えます。しかしながら、現在の取り組みでは成果を上げるまでに、特に歳入、税収に結びつくまでには長期間を要します。梅原市長の公約を実現するためには、加速的な推進が必要ではないでしょうか。市長は専門的な目で見て、現在の施策でもって十分と考えるのか、御所見をお伺いいたします。
次に、平成十五年度に実施いたしました
産学連携事業支援施設整備調査についてであります。この調査によってどのような成果が得られたのか。また、この調査を踏まえ、本市として新たに
インキュベータ・ラボ等を整備する考えはあるのか、あわせてお伺いいたします。
ところで、内発的な産業振興によって短期的な成果を上げることが困難な中、国の
構造改革特別特区の第一回認定として、平成十五年四月に認定を受けました本市の
国際知的産業特区につきましては注目すべきものがございます。経済効果として、五年間で事業所が一千カ所ふえ、従業者数は一万七千人ふえ、生産額も一千四百億円増加し、
特許出願件数や
大学発ベンチャー企業も大幅に増加するとしておりますが、これまで実績はどのぐらい上がっているのでしょうか。また、今後の見通しはいかがでしょうか、あわせてお伺いをいたします。
次に、
歳入アップの方策として幾つかの提案を行い、数点のお尋ねをいたします。
まず、
ネーミングライツについてであります。命名権とか
施設命名権と言われるものであります。従来から、
スポーツ大会などにスポンサーの名称を冠にする形での
命名権ビジネスは存在しておりましたが、一九九〇年代後半ごろから、アメリカにおきまして
スポーツ施設等の名称に企業名をつけるビジネスが広がってまいりました。
メジャーリーグで名称に企業名が命名され始め、高い費用対効果が認められたことから、他の
スポーツ種目やヨーロッパのスポーツ界へと広がっていきました。
アメリカの導入事例としては、日本人選手のイチローが所属する大リーグのシアトル・マリナーズの本拠地がセーフコ・フィールドという名称になっており、この名称については、契約期間は二十年、収入金額は約四十八億円で、年額にしますと約二億四千万円となります。
日本においては、平成十五年三月に
Jリーグチームの
ホームスタジアムである
東京スタジアムが、五年契約で総額十二億円、年額にすると二億四千万円で
味の素スタジアムという名称がつけられたところであります。最近では、同じく
Jリーグチームの
ホームスタジアムである
横浜国際総合競技場が、五年契約で総額二十三億五千万円、年額にしますと四億七千万円で
ネーミングライツが売却され、
日産スタジアムという名称がつけられるなど、公共の
スポーツ施設の
ネーミングライツが注目を集めております。
この
ネーミングライツの売却のメリットといたしましては、まとまった収入が安定的、継続的に確保できることから、対象となる施設の
管理運営費に必要な一般財源を削減することができます。また、これを取得することになる企業にとりましても、
スポーツ中継等において命名した名称が使用される機会が得られ、宣伝効果の増大が見込まれます。一方、
デメリットもございます。
デメリットといたしましては、施設名称として特定の企業名を使用した場合には、一部の大会の誘致に支障が生じるおそれがある、施設運営の柔軟性が妨げられる可能性がある、また企業の経営状況に左右され、契約の履行が困難となり継続的な名称の使用が損なわれるケースがあることなどが言われておりますが、私は
デメリットを補って余りあるメリットがあると考えております。
本市には、サッカーJ2屈指の収容実績を誇る
仙台スタジアムがあります。この
仙台スタジアムの平成十六年度の
管理運営費は一億四千七百万円で、収入は五千七百万円であり、約九千万円の赤字となっております。本市としてこの
仙台スタジアムの
ネーミングライツを売却し、収入の確保を図るべきであります。また、その他の
スポーツ施設や文化施設のすべてについて、
ネーミングライツの売却対象として検討すべきではないでしょうか。今日の経済状況では対応できる企業の業種と数に限りはあるとは思いますけれども、市長を筆頭に、本市の営業力、交渉力を存分に発揮すべきであります。市長の御所見をお伺いいたします。
歳入アップを図る施策として、次に広告事業についてお尋ねいたします。横浜市などにおいては、ホームページ、建物等の公共施設、その他市が所有する有形無形の資産を広告媒体として有効活用し、
広告料収入を得ております。本市としても、広報印刷物への広告や
ホームページバナー広告、あるいは公共施設における
イベント開催権の提供など、
歳入アップのため、広告手法の検討、広告媒体の確保など、積極的な取り組みを行っていくべきと考えますが、いかがでしょうか。御所見をお伺いいたします。
次に、市民の協力を得て収入を上げる方策についてであります。昨年の
決算等審査特別委員会で動物園の運営について取り上げ、市民の協力を得て運営費を賄う方策を提案いたしました。北九州市の到津の森公園という動物園では、えさ代を支援する
動物サポーター、そして運営費を支援する友の会などの協力で収支が黒字になっております。このような方策を本市でも行うよう求めたところでありますが、
収入アップを図る新市長のもとで取り組みを加速させるべきではないでしょうか。御所見をお伺いいたします。
次に、科学館の運営についてお尋ねいたします。
科学館の役割を考えますと、学校と科学館の連携は大きなテーマであります。本市の科学館は、市内のすべての中学二年生に来館してもらい、実験学習や展示学習を実施しております。このことは、昭和二十七年に
サイエンスルームとして
レジャーセンター内にオープンして以来続けられており、全国に誇れる取り組みであります。
ところで、歴史や伝統だけでは飽きられます。科学館には、例えばテーマパークと同じような努力が求められております。つまり、展示の
リニューアルが必要です。しかしながら、展示物の
リニューアルには相当な経費がかかります。厳しい財政のもとで十分な予算を確保することは、なかなか困難であります。
そこで、民間の力を活用することを考えてはいかがでしょうか。企業や団体の協力を得て、自社技術に関連した最新の科学技術やテーマを、模型やゲームなどを用いてわかりやすく展示、解説してもらってはいかがでしょうか。
大阪科学技術館、
浜松科学館、山形県
産業科学館などで、このような企業展示を実際に取り入れております。科学館にとっては経費をかけずに展示をふやし、魅力を増加させることができます。このような方策も効果的な行政改革であると考えます。
本市科学館における取り組みに期待するものでありますが、御所見をお伺いいたします。
最後に、地域の課題についてお伺いいたします。
昭和五十六年以降、旧泉市、旧宮城町、旧秋保町のエリアで、
国土調査法に基づく地籍調査が行われてまいりました。私が住んでいる地域についても、ようやく平成十五年度から実施されております。ところで、この平成十五年度から地籍調査が行われております七北田、
市名坂地区においては、新しい市街地の形成や道路の新設など、さまざまな事情で土地が分筆され、複雑に地番が入り組んでいるところが数多く見られ、現在の地番では日常生活において不便を来すこともあります。このため、一日も早い住居表示の整備を熱望する声が高まっております。これまでに
関係町内会主催の勉強会も行われ、本市に対して要望書も提出されております。
地下鉄の駅から歩いて五分や十分の地域で、いまだ住居表示の整備も行われていないところは仙台市内にあるのでしょうか。かつて七北田、
市名坂地区は、旧泉市の中心市街地でありました。仙台市と合併して十八年、いまだ住居表示の整備も行われておりません。市長は、七北田、
市名坂地区及び周辺地区の住居表示について、どのようにお考えでしょうか。具体的なスケジュールをお示し願います。
次に、
ダイエー泉店の撤退についてであります。
泉区の発展の一翼を担ってまいりました
ダイエー泉店の閉店が間近に迫っております。従業員には泉区内に住む方々が多く、また周辺にはダイエーの集客力に期待して出店した店舗も多数存在しており、地域経済に与える影響も懸念されております。
本市として、その跡地利用や従業員の再就職先の確保について、どのような取り組みを行う考えがあるのかお伺いいたします。状況を見守るだけでなく、情報収集、提供、相談窓口の開設など、積極的な取り組みを行い、大型店の撤退時におけるあり方を事業者とともに検討する必要があると考えます。市長の御所見をお伺いし、私の第一問といたします。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
5: ◯市長(梅原克彦)ただいまの
斎藤範夫議員の御質問にお答えを申し上げます。
まず、平成十六年度決算に伴う財政状況についての認識についてお答え申し上げます。
仙台市の市税収入の減少、そして
社会保障費の増大、公債費の高水準化などを反映いたしまして、各種の財政指標が前年度決算に比べて上昇している状況になっております。仙台市の財政状況につきましては、事前に私自身、相当厳しいものであると聞いていたところではありますが、市長に就任いたしまして改めてその厳しさを認識したところでございます。
そこで、財政の
中長期見通しに関する御質問でございます。私は、去る七月の市長選挙におきまして、
市役所改革プランを策定し、組織のスリム化や事務処理の効率化を進め、人件費総額を抑制することなどを表明いたしました。この公約を確実に実行するため、今年度中には財政の
中長期見通しを明らかにしたいと思います。また、市民の立場から、市民の皆様の立場から見ても、これまでの既成概念にとらわれない新たな発想で、新しい発想での
改革プランを策定いたしまして、抜本的な
行財政改革に取り組んでまいる所存でございます。
次に、仙台市新
産業創造プランの施策についての御質問でございます。
斎藤議員から、なぜ成果を上げられなかったのか、このような御質問でございますが、これはいろいろな要因があると思います。一つには、これは私見でございますけれども、残念ながら仙台市、仙台地域においては製造業の集積、これは歴史的なものを含めて、製造業の集積が日本の他の大都市地域に比べて薄いという現実があること。これはもちろんたくさんの歴史的な事情があると思います。したがいまして、おのずから産学連携あるいは産官学の共同研究といった
プロジェクトに、実際に参画できる能力を持った企業が現実問題として少なかったことがあると思います。
二つ目に、当然新しい産業を創出する場合に、あるいは企業を起こす場合、資金調達の問題があるわけでございますが、議員御案内のように、日本におきましてはもともと産業金融において不動産を担保とする間接金融による企業の資金調達が主流でございました。諸外国、とりわけ欧米諸国と比べましても、直接金融あるいは
リスクマネーの供給という立場から見て、日本の金融制度あるいはその実態は、とりわけ新しい産業を創出する、あるいはニュービジネス、ベンチャー的な企業を創出するという面において、残念ながらおくれをとっていたと言わざるを得ません。このため政府を挙げていろいろな証券市場の制度の改革ですとか、いろいろな取り組みをしてまいったと認識しておりますけれども、ようやくこういった新しい企業に積極的に
リスクマネーを供給する、企業を起こす側からしても、資金調達を以前に比べては容易に資金調達をし得るような環境が徐々に整いつつあると思います。
三つ目の要因としては、やはり人材の問題でございます。言うまでもなく、仙台には東北大学を初めとするたくさんの研究開発を担う人材を生み出す
教育研究機関がございますが、これは鶏と卵の関係になるわけですけれども、その受け皿となるような企業あるいは製造業、あるいは研究機関も含めて蓄積がないこと、したがって有為な人材が残念ながら仙台市以外に流出し、首都圏あるいは全国、あるいは外国の企業、研究所に行ってしまう、こういう現状があるかと思います。
そこで問題は、これらの要因を単に嘆いているのではなく、どのように改善していくかという点でございますけれども、これにつきましては私自身これから大学の先生方、研究者の方々、そして民間企業の研究者あるいは企業を経営する方々、
中小企業者の方々を含めて、仙台に特有の事情が那辺にあったか、仙台においてどういう問題がこれまであったか、あるいは事業者の方々、研究者の方々として具体的にどのような点を行政に対して改善をしてほしいと思っているかという点について、市長みずからそういった関係者の方々とコミュニケーションを密にして、いろいろとその方策を探っていきたいと思います。
もちろん仙台市もこれまでいろいろな取り組みを行ってきていることは御承知のとおりでございます。とりわけ大学発の
ベンチャー企業の育成などにつきましては、いろいろな施策を講じているわけでありますけれども、少しずつではありますが、こういった大学などの研究成果あるいは技術を生かした事業化、企業化が少しずつではございますものの、着実に根づきつつあるものと認識はしております。
次に、新
産業創造プランの施策についてでございますけれども、近年、仙台市はこのプランに基づきまして産学連携による新
産業創出プロジェクトを主体的に立ち上げております。とりわけ助成金制度の創設ですとか、
東北インキュベーションファンドへの支援などを積極的に行っております。こういった施策を講ずることによりまして、将来における産業の芽をつくり出していくわけでございます。その加速的推進を図るためには、先ほど来申し上げましたように、その企業の集積ですとか、資金調達などの産学連携をさらに進めていくための環境整備が重要でございます。さらに、今後は海外を含めた企業や研究所の仙台の外部からの誘致、これもこれまで仙台市として取り組んできたところではございますけれども、さらにそれを加速的に進める努力を重ねる、こういった取り組みによりまして、産業の集積を高め、また既存の各種の支援策ですとか国の資金の積極的な活用、これも私自身が国の
政策金融機関の方々とも直接いろいろ御相談をしながら、要望を行いながら、新しい視点からの施策も取り入れながら、仙台地域の産業振興を推進してまいりたいと思っております。
そのほかの御質問につきましては、関係の局長から答弁をさせていただきたいと存じます。
以上でございます。
6:
◯企画局長(佐藤信夫)私からは、新産業の創出について、
国際知的産業特区の実績、そして今後の見通しに関するお尋ねにお答えをさせていただきます。
まず、実績についてでございますが、事業所数、従業者数、それから市内総生産額につきましては、当該特区の認定以降に行われた統計調査、これについてまだ現時点では特区の効果を特定できるような、そのような値が十分まだ公表されていない段階でございますので、把握はできていないところでございますが、個別のデータで申し上げますと、東北大学での十六年度の実績、これを見ますと、
特許の出願件数が三百三件に上ってございますし、また大学発の
ベンチャー企業は二社が生まれております。また、痴呆予防の効果、これで全国的に注目されました脳科学の
プロジェクト、そういったものなど具体的な成果も生まれてきているというふうな状況でございます。
それから、今後の見通しでございますが、現時点でこれを特定することはなかなか難しい状況にございますが、本市はこれまでもさまざまな
研究支援施策、
産学連携施策等を継続して講じてきたところでございます。こうした具体的な施策、これらに全力を投入しながら、その効果を生かし、この特区全体の効果が地域全体に幅広く波及するように取り組んでいく必要があるのではないかと考えてございます。
以上でございます。
7:
◯財政局長(笠原周二)私からは、
歳入アップを図る施策に関する質問についてお答えを申し上げます。
まず、
ネーミングライツについてでございますが、歳入の増加策としての
ネーミングライツの売却は、即効性のある魅力的な取り組みの一つであると考えております。特に、
仙台スタジアムにつきましては
ベガルタ仙台の本拠地としての
シティセールスの一助にもなっておりまして、来場者が多く、協賛を得やすい施設であると思います。広告収入の確保へ向けた取り組みとしまして、そのほかの
スポーツ文化施設の可能性も含めまして、
ネーミングライツの売却について積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、広告事業についてでございます。市が所有しますさまざまな資産を活用しての
広告収入確保の取り組みは、財源確保として非常に有効な手法であると認識をしているところでございます。現在、その推進に向けまして全庁的な基準づくりや費用対効果の見きわめなど、全体的な
仕組みづくりの検討を進めているところでございまして、取り組みの可能なものから順次積極的に取り組んでまいりたいと、そのように考えているところでございます。
以上でございます。
8:
◯市民局長(平井俊之)七北田、市名坂及び周辺地区の住居表示の実施についてでございます。住居表示につきましては、これまで新しく市街地が形成された地区や、家屋が密集し地番が複雑に入り組んでいる状況にあって、一定のまとまりのある地区を対象に実施しております。この七北田、市名坂及び周辺地区につきましては、現在
地籍調査事業が進められておりますことから、この事業の進捗状況を見定めながら、地域の皆様の御要望なども踏まえまして、今後検討してまいりたいというふうに考えております。
以上でございます。
9:
◯経済局長(五十嵐悦朗)二点の御質問にお答えを申し上げます。
初めに、新産業の創出についてのお尋ねのうち、
産学連携事業支援施設整備についてお答えを申し上げます。
まず、
支援施設整備調査の成果についてでございます。仙台市における
インキュベーターを取り巻く現状を分析し、将来の産学連携を支援するための取り組みとして、インキュベーションマネジャーの配置や有望な大学シーズと連携した施設整備の必要性が示され、昨今の産学連携の加速化と起業化のニーズに対し、今後取り組むべき方向性についての知見を得たところでございます。
次に、今後の
インキュベーターの整備につきましては、本市や関係機関が深くかかわりながら、
中小企業基盤整備機構が青葉山地区に大学連携型の
インキュベーターを整備する計画を進めております。本市としても必要とされる支援を行い、この施設を通じて地域の関係機関あるいは他の
インキュベーターとの連携をより深めまして、大学の研究成果の起業化、事業化を積極的に推進してまいる所存でございます。
次に、
ダイエー泉店の閉店に係るお尋ねでございます。
ダイエー泉店の閉店に当たりましては、これまでも従業員の再就職や取引先への支援、敷地の利用等につきまして、
ダイエー本社に対しその適切なる取り組みについて要請を行ってきたところでございます。特に、従業員の再雇用に関しましては、
ダイエー泉店と本市を含む労働関係機関による対策連絡会議が組織され、再就職支援や相談、情報提供などの対策が行われているところでございます。
大型店の撤退等に際しましては、これは一義的には企業の果たすべき社会的責任の問題と考えておりますが、これを座視することなく、必要に応じ関係機関とともに速やかに対策を講じる体制を構築いたしまして、対応してまいりたいと考えております。
10: ◯建設局長(中村克正)市民の協力によります動物園の収入増を図る取り組みにつきましてお答え申し上げます。
八木山動物公園では、現在、市民の方々に動物の新たな魅力を紹介し、数多く動物園に足を運んでいただけるよう、一日飼育体験や夜間の動物観察会、さらには来園者によるえさやり体験や動物のえさ探し等の企画を実施するとともに、総合学習の受け入れをふやすなど、さまざまな試みを行っております。また、東西線の建設に伴う動物公園の一部
リニューアル計画のため、この十月に実施する予定の市民アンケート調査の中で、市民参加や動物展示のあり方についても幅広く市民の意向を調査する予定でございます。今後、寄せられました意見を踏まえまして、新たなサポーター制度などにつきまして早急に具体の取り組みを進めてまいる所存でございます。
以上でございます。
11: ◯教育長(奥山恵美子)科学館の運営についてのお尋ねでございます。
科学館は御指摘のとおり、開館以来、学校現場との連携に重きを置いた事業を展開してまいりました。御提案にございました企業の協力による展示等につきましては、過去に特定の企業の製品を展示することについて、市民の方から公平性等の面で疑問が出されたケースもございましたけれども、一方、これまでにも企業から寄贈を受けたパソコンを活用して情報ネットワークによる学習を行うなど、幾つかの取り組んでまいった事例もございますので、このたび御指摘いただいた先進館の取り組み等も含め、さらに検討を重ねてまいりたいと、このように考えております。
12: ◯一番(斎藤範夫)市長からは非常に専門的な視点での御答弁をいただきまして、ありがとうございました。
住居表示につきまして再質問をさせていただきたいと思います。
スケジュールを示していただきたいと思って質問を申し上げたんでございますけれども、今後検討するというような御答弁でございました。地籍調査が行われておりますところ、実は平成十八年度から地籍調査によって面積がふえた分については十八年度から課税をするという方針が出されております。例えば七北田地区については十五年度に地籍調査を終えまして、今年中に登記簿も確定するということで、面積がふえた方については十八年度から固定資産税が増加するという状況にあります。この固定資産税と地籍調査と住居表示はそれぞれ別なものであることは十分承知しておりますけれども、市民感情として、地籍調査をしていただいて面積をふやしていただいて税金をかけていただいて、住居表示はさっぱりしてくれないということでは、なかなかやはり市民感情として納得できないものがあるんじゃないかというふうに思うわけであります。そういう意味で、住居表示の予算が不足するんであれば、十分その確保に配慮するというか、努力をしていただいて、住居表示を速やかに整備していただきたいということで、もう一度御答弁をお願いしたいと思います。
13:
◯市民局長(平井俊之)再度の御質問にお答えを申し上げます。
実はこの地域、住居表示をするに当たりましてさまざまな課題を抱えてございます。その範囲をどこにするか、特に地籍調査の進展状況に若干の差がございます。それから、どのような町名にしていくかという地域の問題、そのような課題がございますことから、それらについてはやはり慎重に検討する必要があるだろうということで、地域の皆様のお考えにも十分配慮しながら今後検討してまいりたいと、このように考えているところでございます。
以上でございます。
14: ◯議長(柳橋邦彦)次に、郷湖健一君に発言を許します。
〔五十二番 郷湖健一登壇〕(拍手)
15: ◯五十二番(郷湖健一)私は、みらい仙台の郷湖健一であります。ただいま柳橋議長より発言のお許しをいただきましたので、一般質問をさせていただきます。
まず最初に、去る七月三十一日、仙台市長選に多くの市民の支持をいただき、堂々当選されました梅原市長にまずもって心よりお祝いを申し上げますとともに、数々の政策目標実現に向け、日々邁進され、市民の負託にこたえられますよう御期待を申し上げる次第でございます。
まず、梅原市長の政策目標の中に、財政再建への課題を挙げられておりますが、ただいま本市の財政は年々市税収入が落ち込む中で、本市の公債額、いわゆる借金でございますが、一般会計七千数億円と言われ、企業会計を含めると優に一兆数千億円余の大台を超えている現状にあります。市長は、政策の中で行革は最重要課題はもちろんでありますが、もはややりくりだけでは、あるいは節約だけでは限界があり、交渉力、営業力で
歳入アップを図ると言っておられますが、その手法、技量に大いなる期待をいたしている市民も数多くおられます。市長の言われる交渉力、営業力等で
歳入アップをするというお考えを、市民にお示しをいただき、梅原市長の財政課題に取り組む決意のほどをお尋ねいたしたいのであります。
次に、本市の林業振興について市長の見解をお伺いします。
日本国土の三分の二以上は森林に覆われております。森林は、日本列島の皮膚とも言ってもいいと思いますが、今その森林が病み始めている現状にございます。人間が手を入れない、手入れを怠った荒れ放題の山肌は潤いを失い、台風や地震のたびにひび割れを起こし、大きな傷をつくります。また、深いしわを刻んで、土砂崩れを起こし、春にはやっかいな杉花粉などをまき散らし、これ以上の放置は許されません。言うまでもなく、森林はさまざまな生き物をはぐくみ、水を浄化し、土砂災害を防ぎ、温暖化の原因となる二酸化炭素を吸収し、人間が生きていく上で欠くことができません。また、行楽や保養の場、スポーツの舞台ともなり、あわせて住宅や家具の素材を提供してくれる、森林本来の豊かな力を取り戻すことが大変重要なことと考え、今このことが強く求められているのであります。そこで、本市の森林の育成と林業の振興についてお伺いをします。
我が市は、御承知のとおり、市域の約六割を占めている森林があります。住宅、木材等の生活資材の提供を初め、国土の保全、水源の涵養、自然環境の保全等、公益的・多面的機能を有しております。しかしながら、外材との厳しい価格競争による木材価格の長期的な低迷等に起因して、林業経営の採算性は非常に厳しい状況となっております。また、森林所有者の高齢化や林業の担い手不足などにより、経営を続けることが難しくなり、十分な手入れをすることができず、里山も含め山林の荒廃が進んでいる状況であります。
森林はさきに申し述べましたように、公益的・多面的機能を有しており、市民の貴重な財産であります。この市民の貴重な財産を、市民一人一人が守っていくという心構えが必要ではないかと考えるものであります。本市においては、市民の森林、林業に対する理解を深め、その重要性を認識してもらうための施策として、市民育樹祭や数々のイベントを行っているようでありますが、必ずしも広く市民に理解されていないのではないでしょうか。地球温暖化防止機能を含め、森林の持つ公益的・多面的機能等について、もっと市民にPRすべきではないかと考えますが、この点についていかなるお考えかお伺いをいたします。また、未来を担う子供たちに対しても、学校教育の中で森林の持っている機能、重要性、大切さを教えていくべきではないかと考えますが、教育長の御所見をお伺いいたします。
次に、公共建築物への木材の利用についてお伺いします。
木造建築物は、人にぬくもりや安らぎを与えるものであり、湿度の調節など、健康上もすぐれております。また、新しい建築工法の開発などにより、地震にも強く耐用年数も飛躍的に伸びております。今後、学校あるいは公共施設の建設に当たっては、林業の振興を側面から支援するためにも、地域性を考慮して、地元産材を使った木造建築物にしてもよいのではないかと考えますが、いかがかお伺いをいたします。
次に、荒廃した森林を再生し、森林環境の保全を図るための新たな税制度の創設についてお伺いいたします。長引く不況などにより、本市の財政状況は大変厳しいものと認識をいたしておりますが、森林環境の再生・保全もまた重要課題の一つであります。そのための財源確保には、森林環境税などの新たな税制度の導入が必要であります。森林環境税の導入について全国を見ますと、岡山、高知など八県が既に実施しており、岩手、福島など四県が来年度からの導入を予定しております。市民の共有財産である森林の公益的機能を維持、増進するためには、市民全体で森林を支えることが重要であると考えるところでありますが、そのための財源も必要でありますので、仙台市においても森林環境税の導入について前向きに検討すべき時と思いますがいかがでしょうか、お伺いをいたします。
スポパーク松森の天井落下事故についてお伺いをいたします。
スポパーク松森は、松森工場を整備するに当たり、ごみ焼却に伴い発生する熱エネルギーの有効利用と、市民の健康増進を目的として建設が決定され、仙台市におけるPFI事業の第一号として事業化されたものであります。施設計画を策定するに当たっては、地元からの要望や市民からの意見等が取り入れられており、まさに市民待望の施設として、七月一日にオープンしたものであります。地元の方々を初め多くの市民から利用され、市民の健康増進といやしの施設として運営されてまいりました。
ところが、八・十六宮城地震により、プールの天井がもろくも落下し、夏休みということもあり、お子さん方を含め多くの方々が負傷するという痛ましい事故が発生したのであります。施設の完成を待ち望み、市民の楽しんでいる姿を身近に見て喜んでおりました私としましても、非常に残念な思いがございます。負傷された方々に心よりお見舞い申し上げますとともに、一刻も早い回復を願うものであります。
今回の事故につきましてはさまざまな報道がなされておりますが、利用者の安全対策を万全にした上での再開を求める観点から、以下数点について質問いたします。
まず、今回の事故の原因についてお伺いをしますが、事故直後に国土交通省が調査に入り、先般事故調査報告が公表されました。それによりますと、斜め振れどめが設置されていなかったために揺れが大きくなり、壁と天井のすき間が十分でなかったために衝突を起こし、天井落下に至ったとのことであります。斜め振れどめが設置されていれば落下は防げたとのことでありますが、施設建設に当たり市が求めた耐震性能はどの程度で、斜め振れどめについてはどのような要求であったのかお伺いをいたします。現実に斜め振れどめは工事されていなかったわけですが、なぜ設置されなかったのでしょうか。また、事業を発注した環境局の確認はどのようなものであったのか、あわせてお伺いをいたします。
次に、事故に遭った方々への対応についてお伺いします。今回の事故は、負傷した方々への対応はもちろんですが、幸い負傷に至らなかった方々の中にも心のケアが必要な方々が相当いるのではないかと思われます。PFI事業者の対応に任せるだけでなく、仙台市として対応が必要と考えるものでございますが、何らかの対応をしているのかお伺いをいたします。
次に、施設再開に向けた市の関与についてお伺いをいたします。新聞報道によれば、市長は市の行政責任はあるとの発言をし、現在、環境局、都市整備局、消防局合同で事故対策検討委員会を設置し、事故原因の調査及び改善の検討を行っているとのことでありますが、私もPFI事業だからといってPFI事業者任せにすることなく、市としての責任を果たしていくことが重要であると考えるものであります。今後、施設の再開に向けて改修工事が進められることと思いますが、その際、市としてどのような関与をし、市民に対する安全性の確保をしていくのかお伺いをいたします。
次に、具体的な施設の改修計画についてでございます。まず、プールの天井については、今回の落下事故を踏まえ、徹底的に原因を明らかにし、万全の対策が講じられるものと思いますが、プール以外の屋内施設、マシンジムやスタジオ部分の天井についても改修が必要ではないでしょうか。プールのような面積の大天井ではありませんが、それぞれ相当の面積を有するスペースであり、またつり天井の構造自体は落下したプールの天井と同様であります。御所見をお伺いいたします。
私は、民間企業の経営能力を最大限に活用し、サービスの向上や効率的な事業の運営を図るPFI事業は今後も積極的に進めていくべきと思っておりますが、安全性の確保までPFI事業者任せにすべきではないと考えます。今後とも市としてPFI事業を推進していくのか、その際、施工監理のあり方も含め安全性の確保をどう担保していくのか、市長のお考えをお聞かせください。
以上で私の一般質問とさせていただきます。
御清聴まことにありがとうございました。(拍手)
16: ◯市長(梅原克彦)ただいまの郷湖健一議員の御質問にお答えを申し上げます。
まず、
歳入アップに対する取り組みについてでございます。私が掲げております市政運営の原点は、所信表明においても述べましたように、市民だれもが幸せを実感でき、誇りを持てる都市づくりでございます。このことを実践、実行するために、都市の経済力の向上あるいは都市再生の取り組みなどを通じた歳入増加策による財源確保が重要であると考えておるところでございます。
歳入増加のための施策についてはさまざまなものがございますけれども、市長である私自身が先頭に立ち、まさに交渉力、営業力を生かした取り組みを精力的に推進してまいりたいと思っております。具体的には、国際的な都市間競争が激化する中にあって、仙台市の知的資源を活用した産官学連携の取り組みに加え、私自身の経済産業省などでの経験を生かしまして、民間企業、研究所などの誘致、あるいは国際会議を初めとする各種のコンベンション、あるいは観光客の招致などについて、東北全体の活力を高めていく意味でも広域的な取り組み、他の自治体との連携を含め広域的な取り組みを進めてまいる考えでございます。
郷湖議員から森林の育成、林業の振興についてたくさんの貴重な御指摘をいただきました。私も郷湖議員と極めて同じような考え方を持っております。農村はもちろん田園風景はもちろんのこと、私たち日本人が住む日本列島の美しさ、これは何といっても森や林の美しさでございます。そして、議員御指摘のように、森林にはさまざまな公益的あるいは多面的機能があること、これは農業と同様のものでございます。この森林の重要性、森林保護の重要性を広く市民にPRしていくことは、もちろんでございますし、学校教育の場においてもさまざまな形でいろいろな森の重要性を子供たちに伝承していくべきだと思います。この辺につきましては、経済局、教育局のそれぞれの局長から詳しくまた御答弁をさせていただきます。
公共建築物への木材の利用についても御質問がございましたが、もちろんその需要喚起という側面もございます。そして、木のぬくもり、安らぎといった素材としてのすぐれた特性、これは言うまでもなく私たちの日本人の木を愛する文化、情緒と全く軌を一にするものでございます。これにつきましても、都市整備局長の方から詳しく御答弁をいたしますけれども、郷湖議員のお考えに私は基本的に賛成でございます。財源につきましては、後ほど経済局、財政局の方からお答えを申し上げます。
スポパーク松森の天井落下事故についての御指摘がございました。これも後ほど環境局、企画局の方から御答弁申し上げますけれども、言うまでもなく、これまで私が申し上げておりますように、市民の皆様に対するサービスの質を確保する上で、施設の安全性、これが何よりも重要であると、こういう認識でございます。市民の皆様に安心して御利用いただける施設であること、これがまず第一の、一番重要なことだと思っております。こういう考え方に沿って施設の再開、それに向けての改修等について、仙台市としてきちっと関与してまいりたいと思っております。詳しくは環境局の方からまた御答弁申し上げます。
以上でございます。
17:
◯企画局長(佐藤信夫)私からは、スポパーク松森の天井落下事故に関連し、今後のPFI事業、それと安全性の確保について回答申し上げます。
今後のPFIと安全確保ということでございますが、施設整備をこれから検討する際に、現在の厳しい財政状況を踏まえますと一つの整備手法としてPFIの導入の検討はやはり避けて通れないと考えてございます。今後とも案件ごとの特性、コストの比較、サービス水準の確保、地元経済への影響等を見きわめまして、PFI事業を適切に選定し、これを摂取してまいりたいと考えてございます。
また、その際、御指摘のような安全性の確保につきましては、最優先の課題でございますので、現在庁内の事故対策検討委員会で進めております事故原因の究明、再発防止策の検討結果を踏まえまして、運用面で行政側の関与の強化を含めまして、十分な改善策を講じてまいりたいと考えてございます。
以上でございます。
18: ◯環境局長(荒井崇)私からは、スポパーク松森の天井落下事故に関します数点の御質問にお答え申し上げます。
最初に、耐震性能についてでございますけれども、契約上、スポパーク松森は国土交通省作成の建築工事共通仕様書、また官庁施設の総合耐震計画基準に基づき設計することとされております。これらによりますと、天井等の建築非構造部材の耐震性能といたしまして、大地震時における水平及び鉛直方向の地震に対する必要な安全性の確保等が求められてございまして、そのため今回落下したような面積の大きな天井や、屋根との間の懐の大きな天井の場合には、天井材と水平の振れどめと、またつりボルトを筋交い状につなぐ斜め振れどめ材を設置し、天井などの脱落を防止することとなっているところでございます。
続きまして、斜め振れどめが設置されなかった理由でございますけれども、まず施工計画におきましては設置することとされておりましたけれども、工事段階におきまして計画どおりの施工が行われず、設計業者による施工監理によりましても、この点が是正されなかったものでございます。
また、市の確認についてでございますが、事業者から提出されました設計図書に、国土交通省の建築工事共通仕様に準拠する旨の記載があったことや、また施工計画書に斜めの振れどめを要所に入れる旨の記載があったことなどによりまして、振れどめによる適正な補強が行われるものと判断していたものでございます。
次に、事故に遭われました方々への対応についてでございますけれども、まず、PFI事業者に対しましては、負傷者それぞれの方のケースに応じた誠実な対応をとるよう申し入れを行いまして、また随時状況の方を確認しているところでございます。また、地震当日の施設利用者の中で心のケアを希望される方につきましては、各区役所の協力によりまして、保健福祉センターにおきまして相談等を行ってございます。本市といたしましても、今後とも具体の御要望など適切に対応いたしまして、皆様のケアに心がけてまいりたいと考えております。
続きまして、施設の再開に向けての市のかかわりについてでございます。現在、事故対策検討委員会を設置いたしまして、事故原因の解明と、また改善、改修に当たっての課題の整理を行ってございます。また、今後事業者が作成する改修案を評価、検証いたしまして、万全な安全対策を求めてまいる所存でございます。また、工事に際しましては、詳細な設計図書などの提出を受けまして、これらを精査するとともに、現場において実際の施工状況を十分確認し、改修が確実、また的確に実施されることを確認してまいりたいと考えております。
市民サービスの質を確保する上で、施設の安全性が何よりも重要であるとの認識に立ちまして、市民の皆様に安心して御利用いただけるような施設になるよう取り組んでまいる所存でございます。
最後に、プール以外の屋内施設の天井の改修についてでございますけれども、地震発生後の検証では特に損傷はございませんでしたが、議員御指摘のように相当の面積を持ち、また屋根との懐の大きな天井がございまして、斜め振れどめが未設置であることはプール天井と同様でございます。したがいまして、施設の安全性を確保するため、斜め補強材を設置するとともに、天井周辺部の必要な箇所に天井と壁の間のクリアランスを設けるなどの改修が行われることとなっておりまして、市といたしましても、その改修が確実、的確に実施されますことを確認してまいる所存でございます。
以上でございます。
19:
◯経済局長(五十嵐悦朗)森林の育成と林業の振興についての二点の御質問にお答えを申し上げます。
まず、森林の持つ公益的機能のPRに関するお尋ねでございます。森林の果たしているさまざまな公益的役割や、その重要性を市民の方々に広く理解していただき、市民一人一人が森林を守っていくという風土を形成していくことが重要であり、これに積極的に取り組むべきことは議員御指摘のとおりと認識をいたしております。これまでにもさまざまな機会にPRに努めてまいりましたところではございますが、さらに理解を深めていただくために、市民参加型のイベントの実施など、より積極的なPRに努めてまいりたいと考えております。
次に、森林の再生保全のための財源確保についてでございますが、森林の整備に当たりましては、これまでも造林育林事業など環境整備に国の補助制度などを積極的に活用しながら進めてまいったところでございます。事業実施に際しましては、当面新たな税を財源とすることなく、既存の制度を活用した整備のほか、市民などとの連携、協働による取り組みなど、御指摘のような市民全体で森林を支えていくような手法についても検討してまいりたいと考えているところでございます。
以上でございます。
20: ◯都市整備局長(保科学)私からは、公共建築物への地元産木材の利用についての御質問にお答えいたします。
議員御指摘のとおり、木材にはぬくもりや安らぎなどのすぐれた特性がございます。一方で、木造建築物には建築基準法等により階数や面積などの制限がございますことから、このような条件に適合している場合には周辺景観への配慮の要請等も踏まえまして、木造建築物の建設に取り組んできたところでございます。今後とも木材のすぐれた特性を生かす観点から、コスト的な面も考慮しつつ、可能な範囲で地元産木材を利用した木造建築物の採用に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
21: ◯教育長(奥山恵美子)学校教育の中で森林の重要性等を教えるべきではないかとのお尋ねについてでございます。
小学校におきましては、例えば五年生の社会科の中で、防災や環境浄化、地球温暖化の緩和などの面で、森林が果たしますさまざまな役割とその重要性について学習をいたしております。また、百年の杜づくりの一環としまして、市内の森林を活用する子供の自然体験学習林事業に参加している学校もございます。今後とも、こうした活動を通して、森林の持つ機能や重要性、大切さについて、子供たちにわかりやすく教えてまいりたいと考えております。
以上でございます。
22: ◯議長(柳橋邦彦)ここで副議長と交代いたします。
〔議長 柳橋邦彦退席、副議長 相沢芳則議長席に着く〕
23: ◯副議長(相沢芳則)議長と交代いたします。
次に、安孫子雅浩君に発言を許します。
〔十八番 安孫子雅浩登壇〕(拍手)
24: ◯十八番(安孫子雅浩)フォーラム仙台の安孫子雅浩です。新市長を迎えての初議会に一般質問をさせていただきます。
まず、成熟時代、人口減時代の都市経営について、以下に四点お伺いいたします。
政令市となって十七年、着実な人口の増加が本市の活力を生んでいた今日まででありましたが、ここ数年の鈍化傾向は著しく、昨年は二千人台にとどまっており、いよいよ本市も人口減社会に突入することになりそうです。仙台市基本計画の人口フレームからは乖離し、その見直しも前市長が答弁されていたところです。したがって、都市の経営もこれまでの拡大することを前提とした政策から、大きな転換点に立っています。これから人口は減ることはあってもふえることがなく、若者は少なく、高齢者が多くなっていく、いわゆる成熟時代の都市経営が梅原市政の大きなテーマになっていくものと推察いたしますが、御所見をお伺いいたします。
次に、所信表明では、東北全体の発展を支え、各都市、各地域との主体的広域連携を図ると述べられています。道州制の議論も行われている今日、東北内の広域連携を積極的に本市が図っていくことは望まれるところです。そこで東北地方の現状を考えれば、東北地方の他都市は既に人口減の成熟時代に入っており、都市の活力維持は容易ならざる状況にあります。一方で、東北の学生を呼び込んでいる学都仙台は、高校卒業後の東北の若者を吸引し、多くの東北出身の若者たちが本市の新しい活力を生み、まちを彩る一翼を担っているようです。
しかし、その半面で、彼らのふるさとのまちは若者の姿がますます少なくなり、一日一日と衰退している現実があります。本市のまちの活力になっている東北他県出身の若者たちの姿に接しながら、東北地方はそれぞれの地域性や特徴を生かした地域資源の開発と、東北全体での相互補完的な連携が今後は求められていくと考えます。かつて高度経済成長時代には、東北地方は国の経済成長を支えた労働力の供給基地でありましたが、今や人口減に苦しみ、市町村は衰退を食いとめる手だてに乏しく、深刻さを増しています。そこで、人口減時代に突入した東北地方への認識と、本市が東北の中枢都市として担うべき役割について御所見をお伺いいたします。
次に、市長が掲げるシニアが生き生きと元気に暮らすまちづくりにエールを送り伺います。我が会派では、六月議会でも同僚議員が取り上げましたが、団塊世代が今後現役を退いた後、首都圏からふるさと東北へ戻ってくる際、本市が彼らの第二の人生を暮らすまち、Jターンのまちづくりを基本政策に盛り込む予定です。場所は地理的な利便性にすぐれ、本市の時代の活力を生み出す地区として期待されているあすと長町です。東北出身の団塊世代の方々の第二の人生を個々のライフスタイルを大切にしながら、生き生きと暮らし続けるシルバーモデルタウンの拠点地区として、あすと長町を整備していくことを提言します。
今後、フィンランド
プロジェクトの推進によって、本市が超高齢社会時代の老人福祉発信基地を目指すことと並んで、シニアが生き生き元気に暮らせるシルバータウン仙台を築いていくことは、本市の新たな活力を生んでいくものと提言いたしますが、御所見を伺います。
また、市内には、かつて昭和三十年代から四十年代に住宅団地として開発された地域コミュニティーの高齢化は深刻化しています。町内会活動と行政サービスは密接不可分な関係にあり、本市は他都市に比べても町内会の組織率や加入率は高い水準にありますが、町内会の高齢化によって防災、防犯、社協、体振初め町内会活動の機能の維持が困難になりつつある地域が出始めています。市政だよりは区政だよりと一本化され、配布回数が月一回に減ったことが町内会から喜ばれているように、町内会の回覧板でさえも回覧に支障を来し、業者委託による配布や回覧の要望も出ているのです。高齢社会化が進む町内会活動と行政サービスのあり方は、今後課題となっていくものと思われますが、住民自治活動の基本を再確認しながら、行政と町内会活動の役割分担や補助、補完関係のあり方について御所見を伺います。市税収入は減収を続けている一方で、高齢社会時代に行政サービスの拡大ニーズも高まり、今後は政治的な判断が求められ続けることになるでしょう。
次に、災害に強いまちづくりについて四点伺います。
先日、本市中心部を会場に防災フェア二〇〇五が四日間開催されました。宮城県沖地震が想定され、大規模災害発生への警戒が高まっている本市で開催された意義は大きく、担当当局には感謝申し上げます。災害全般にわたって各界の第一人者によって先進的な実践例や現状報告がなされるなど、会場には多数の市民の姿も見られていました。時にかなった開催により、災害に対する市民への大きな啓発の機会に、今フェアがなったものと思いますが、担当当局から総括を伺います。
次に、防災講演会では、減災対策として建物の耐震化の促進なども取り上げられました。発災前に対策を講じておくことは発災後の被害の抑止に大きくかかわりますが、本市におけるそれら減災対策の進捗状況についてお示しください。また、高齢者や障害者など、災害弱者への支援策等も本市では進められているところですが、現在までの状況と、今後さらに支援の充実が求められる課題をお示しください。
もう一点、スポパーク松森天井落下事故で被害に遭われた利用者の皆様にはお見舞い申し上げる次第です。事故に遭われた方々の話によれば、天井落下直後の避難誘導は、施設職員よりも利用者の中に誘導を指揮した人がいて、難を逃れた利用者が多数いたとのことです。そもそも天井の落下など想定外で、施設職員も対応に苦慮したのでしょうが、本市では大規模災害への警戒高まる今、改めて多数の人が出入りする大型施設等への避難誘導訓練の徹底が必要ではないかと考えますが、お伺いします。
次に、国際経験豊富な市長によって、本市が海外発信力を高めていくことに期待いたしながら、戦略的
シティセールスと世界との交流について五点伺います。
まず、市長はこれまで国内外さまざまなところで勤務され、暮らしてこられたと聞いていますが、梅原市長から見た本市の特徴や魅力とはどんなところにあるのかお伺いいたします。
次に、国際的なコンベンション開催は同僚議員もかねてから質問しているところですが、地下鉄東西線建設工事も始まる折、国内外への本市の顔づくりとして、青葉山地区整備計画に合わせて、国際センターかいわいを地下鉄駅前整備に含め、本市コンベンション拠点地区として整備していくことを求めますが、お伺いいたします。
また、先日イタリア貿易振興会の仙台事務所が本市に開設されました。フィンランド、ドイツ、イタリアとヨーロッパの先進各国と本市が直接ビジネスパートナーになっていくことは、本市の活力創出に大いに期待できるものです。このたびの仙台事務所開設は、宮城県との関連もあるようですが、本市としての展望をお伺いいたします。
一方で、本市と東南アジア各国との交流の促進も市長に期待いたすところですが、仙台国際空港はシンガポール便、香港便も休止となり、台湾便に続く国際定期便の就航が待たれているところです。一時バンコクへの定期便開設の機運が高まりましたが、ぜひとも市長の交渉力によって仙台―バンコク定期便の就航を期待したいところです。空港アクセス鉄道の建設も進んでいる中、その課題も含め伺います。また、私も東南アジア地域と本市の活発な交流を願う者として、その積極的促進に御所見を伺います。
もう一点、今日まで続いてきている本市と国際姉妹都市、友好都市の交流については、今後は積み重ねてきた双方の交流実績の上で、経済的交流も視野に入れた、より付加価値を高めた国際交流、経済交流の視点を持って交流事業を進めていくべきものと考えますが、お伺いいたします。
次に、スポーツの感動あるまち仙台と東北について伺います。
プロスポーツの本拠地を都市が持つことは、今や都市間競争の必須要素になっていると思われます。幸い本市はことしからプロ野球チームも誕生し、負け続けても変わらない温かいファンとともに一年目を奮戦中です。政令市で比較してみれば、札幌、横浜、千葉、名古屋、大阪、神戸、広島、福岡、いずれも本市より強い
Jリーグチームとプロ野球チームを持ち、JリーグではJ2に残る四都市のうち、現在京都と福岡が来期J1昇格の可能性が高く、札幌と本市は引き続き残留する可能性が高くなっているのはまことに残念です。
都市間競争に勝つ強いプロチームを持つには、その都市の経済力、スポンサー力がチーム力に反映する側面があります。仙台のチームの強弱も、東北仙台の経済力の反映でもあると考えます。国内他地域に比べ、限られたマーケットに再来月からはバスケットチームも加わり、東北地方のマーケット力がより一層全国的に評価され、厳しい展開も予想されます。
しかしながら、前市長が強力に推進してきたように、スポーツ文化は都市のブランド力を高め、発信力を高める不可欠な都市装置であることから、継承される市長のスポーツと文化都市づくりへ御所見をお伺いいたします。また、あわせてチームの選手出身地は楽天は言うに及ばず、十年経過のベガルタにおいても仙台、宮城、東北出身者は数名に限られ、今後長い目で東北出身、本市出身選手がチームの主力選手として活躍する姿を夢見ています。あすから開催される第三回仙台カップ国際ユースサッカー大会では、東北代表チームが結成され、昨年は日本代表を破る金星を上げています。ことしもブラジル、クロアチアの世界の強豪に東北代表が挑む試合が楽しみですが、スポーツと文化面での東北地方内交流について御所見を伺います。
次に、宮城野原サブトラック問題については、その存続を求め、県側との協議を来月から再開されることに期待いたしますが、テニスコートの移設建設先として公園内の自転車競技用施設を検討できないのでしょうか。同施設は、平成十三年みやぎ国体開催時に大和町に公認競技場が開設されています。現在、公園内の同施設は、利用者や利用実態を観察すれば、公園施設とは言いがたい運営状況にあるものと思われます。県側との今後の協議によるところですが、将来本市が県から公園内施設の移管を受けるにしても、その際、同施設の存続が懸案事項になることが予想されます。同施設の維持目的を県側に問うことを県との協議に加えることを求めますが、伺います。
最後に、大変厳しく難しい国際交渉の最前線に立たれていた経歴をお持ちの梅原市長から見た、次代を担う子供たちへの教育観をお伺いいたします。
代表質疑でも取り上げられましたが、子供たちの犯罪は社会問題化して久しく、昨今ますます深刻化し、未来を支える一番の財産である子供たちの成長とその行く末に不安は募るばかりです。市長は「他人に対する思いやりやいたわりの精神を持ちつつ、社会を生き抜くたくましさ、国語力などの基礎的な学力を身に付け」と表明されていますが、全面的に賛同いたします。加えて、私は先祖代々の営みの上にある日本国に誇りを持ち、公のために奉仕する公共心を身につける教育が、今日まさに教えはぐくまなければならないときに日本は来ていると考えます。本市の教育行政は全国的にも先進的な取り組みをしてきていますが、学校ばかりが教育の場ではなく、本来社会全体が次代を担う子供たちの教育の場でなければなりません。梅原市長の教育観を最後にお伺いし、一般質問といたします。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
25: ◯市長(梅原克彦)ただいまの安孫子雅浩議員の御質問にお答えを申し上げます。
まず、成熟時代の都市経営についてのお尋ねでございます。
言うまでもなく日本の総人口は年内にもピークを迎え、減少局面に転ずるところでございます。我が国の経済もようやく停滞から脱しつつあるとはいえ、もはやかつてのような成長が見込める時代ではございません。私は、成熟時代とは、それぞれの地域がその知恵と努力でこうした厳しい状況を乗り越え、活力が満ちあふれ、市民の皆様が生き生きと心豊かに暮らせるような地域社会を実現していく、そういった時代であると考えております。これは私の目指すところの市民満足度日本一の仙台の姿にほかならないと考えております。
こうした地域社会の実現に向けて、私は持続可能な確固たる行財政システムの上に、市民生活の基礎となる安心・安全を確保しながら、競争力のある経済、産業、そして芸術、文化面など、都市に新しい活力と豊かさをもたらす諸般の政策を積極的に進めてまいりたいと考えております。また、地下鉄東西線に代表される都市の活力を支え、かつ、魅力を高めていく都市の基盤整備、人口構造の変化にも対応できるような地域の新たなコミュニティーづくりを展開するなど、私たちのふるさと仙台が、本当の意味でこれからの成熟時代をリードする都市となれるような都市経営を、市長である私みずからが先頭に立ってしっかりと進めてまいる所存でございます。
次に、東北地方の、人口減時代の東北地方と仙台市の役割についてのお尋ねでございます。
仙台市は、東北地方の中枢都市としての重要な役割を担っております。御指摘のとおり東北地方は既に人口減少局面に入っております。産業、雇用、自治体の財政などにおいて厳しい状況に置かれている地域も少なくないと認識を持っております。私はこのような状況の中で、仙台市が国の内外における都市間競争に果敢に挑戦し、そこで得た活力を東北全体に仙台市が還元していくこと、これが私たち仙台市に課せられた使命である、中枢都市仙台としての使命であるというふうに考えております。その上で、東北全体の自立と繁栄のために、地域の特性やその持てる資源を最大限に生かせるような多様な連携の構築に努めてまいりたいと思います。このことが東北における中枢都市仙台の果たすべき役割であり、それが仙台市自身の将来の繁栄にもつながっていくものと考えております。
次に、災害に強いまちづくりについての御質問でございますが、言うまでもなく私は市長として市民の皆様の安全、これが行政にとって最重要の任務であるという認識であります。詳しくは関係局長から答弁を申し上げます。
次に、戦略的
シティセールスと世界との交流についての幾つかの御質問がございました。私自身にとりましてのふるさと仙台の特徴と魅力についてお答えしたいと思います。私は、この七月の選挙まで約三十年余り居住者という意味では仙台を離れておりましたけれども、このたび市長に就任しまして、改めて私の愛するふるさと、杜の都と呼ばれる自然の豊かさ、これが脈々と受け継がれてきた伝統に改めて直接接し、私の郷土、ふるさとの持つこの個性を大切にしていかなければならないというふうに強く感じているところでございます。
また、市長という立場でこのまちを内側から、中から見るようになって、一カ月近くがたちました。例えば先週末の定禅寺ストリートジャズフェスティバルなどの独創的なイベント、つまり行政主導ではなく、市民の皆様がボランティア的に十五年間にわたって盛り上げてこられた非常に独創的なイベントだと思いました。そして、議員御指摘のように、市民の皆様に厚く支えられているプロ野球ですとかサッカーなどのプロスポーツ、そして、さまざまな競技、スポーツ、それを楽しまれている市民の皆様とじかに触れ合ったときに、市民の力、そしてまちの力の大きさというものを新たに感じ、頼もしく思った次第でございます。
こういったことが例えば、議員から御指摘がありました町内会活動が非常に全国的な水準から見ても加入率が非常に高いという数字を伺って、私も非常に心強く、またうれしく思ったところでございます。今後こういった私たちの住む仙台の魅力を生かしながら、さらに新しい魅力をつくり出して積極的に世界に向けて発信してまいりたいと考えております。市長みずから先頭に立って努力してまいりたいと思います。
次に、各論でございますけれども、イタリア貿易振興会の仙台事務所の開設につきまして御質問がございました。私自身、せんだってのイタリア貿易振興会の仙台事務所の開設の式典に参加をし、その後御来賓としてお越しになりましたイタリアの生産活動大臣、それから在日のイタリア大使、そしてもちろんイタリア貿易振興会の会長さんと、昼食を交え親しくお話しする機会がございました。私自身も以前海外出張などでイタリアを再三訪問しておりますけれども、例えばワインやチーズ、そしていろいろなファッション、私たち日本人はイタリアというとそういったイメージを持つわけでございますが、製造業あるいは研究開発、技術という観点から見ても、イタリアは間違いなく世界の一流の先進国でございます。個別の企業名を上げるのは恐縮でございますが、例えば自動車であればフィアットですとか世界的な企業がたくさんございますし、いわゆるバイオテクノロジー、ナノテクノロジーの分野においても非常に高い水準を持っています。私自身もローマにあるバイオテクノロジーの関係の研究所を訪ねたことがございます。
そういったお話をいろいろとさせていただいた結果、イタリア貿易振興会の会長さんの方から来年以降、できれば来年にというニュアンスでしたが、仙台でナノテクノロジーの関係のシンポジウムのようなものをやろうではありませんか、こういう具体的な御提案があり、私はその場で即座にぜひやりましょうというふうにお答えを申し上げました。もちろん詳細等含めて、今後イタリア側と貿易振興会の仙台事務所を通じて相談をしてまいりたいと思います。
言うまでもなくイタリアと仙台市との関係は、藤井前市長以来、イタリアプロサッカーチームのキャンプ地として仙台が選ばれて以来、大変に親密なものがございます。イタリア側が大変仙台に対して親近感、フレンドリーな気持ちを持っているということが私自身よくわかりました。イタリアの持つ非常に高い可能性、研究開発あるいは産業の力、これをぜひ仙台との間でさまざまな経済交流、貿易あるいは研究開発などの具体的な成果に少しでも結びつけるように、フィンランド以外のヨーロッパの国としてイタリアに注目してまいりたいと思っております。
次に、東南アジアの関係でございますが、仙台―バンコク定期便の就航についていろいろな関係者の方々の努力が行われていることを承知しております。私もタイ側に私自身独自に取材をしてみたんですが、現在のところタイのナショナルフラッグでありますタイ航空、御多分に漏れず航空機燃料、原油高による航空機燃料の高騰、それから去る十二月の津波によるタイの観光地プーケットの大被害によって、日本からの観光客が激減しているということで、決してその経営は楽ではないと、こういう事情にあると伺っております。したがいまして、定期便についてはなかなか難しい状況であるというのが私の認識でございます。詳しくは経済局長の方からまた御答弁申し上げます。
それから、スポーツ関係、これも私自身サッカーそして野球と実際に三十数年ぶりに仙台に住むようになって、新しい、あるいはリノベートされた新しい施設で観戦を楽しんでまいりました。我がふるさと仙台にプロスポーツがサッカー、野球と続いて定着していること、まことにうれしいことでございます。これを実際の経済効果だけに着目することなく、仙台市全体の活力を高めていくという方向の中で、さらにどのようなやり方がふさわしいか、よく考えてまいりたいと思っております。
それから、旧サブトラック問題については、後ほど企画局長から御答弁申し上げます。
それから、最後に私自身の教育観でございますけれども、言うまでもなく今後の日本の社会の行く末を見据えた教育、これがいかなるものか大変国の将来にとっても、もちろん仙台市の将来にとっても重要な問題でございます。激しく現代社会は変化をしております。切磋琢磨をしながら新しい時代を切り開いていく、心豊かでそしてたくましい、精神的にも体力的にもたくましい日本人の育成を目指す、そういう教育を進めていくことが重要になると考えております。また、非常に厳しい国際化社会、厳しい競争にこれから私たちの国も社会も、そして行く行く育っていく子供たちも厳しい国際的な競争社会の中で生きていかなければならないわけであります。これは好むと好まざるとにかかわらず、いわゆる悪化した経済社会の中で生きていかなければならないわけであります。
そのためにはまずしっかりとした確かな学力、そしてみずからの生まれ育った郷土ですとか、もちろん家族、郷土、そして国、私たちが帰属する共同体への愛情、愛着を身につけること、そして広い視野でいろいろみずから考え、生き抜くことができること。さらに、弱い者、小さき者を慈しみ、正義を愛する、こういう優しくそして強い心、勇気を持った子供たち、こういう未来を担う子供たちを育てていくことが、まず家庭、そして学校、地域それぞれの努力、またこれらの学校、家庭、地域の強い連携、そして協力のもとで行われていくべきことだと思います。これらは私たち大人に課せられ、行政だけではなく学校教育、そしてもちろん地域、家庭に課せられた大きな責務であると認識しております。
以上のような基本的な考えに立ちまして、幾つか各論的に強調させていただきたい点がございます。まず一つは、私たち日本の社会、日本人として持つべき徳目、モラルという点でございます。必ずしも順番は整合的ではございませんけれども、思いやり、いたわり、弱者に対する思いやり、もったいないといった心、そして勤勉、勇気、長幼の序、年長者を敬うことですね、そしてもちろん公のために尽くすことの価値、重要性、公共心、そして先ほど来申し上げているように家族、地域、国といった私たちが帰属している共同体を大切にし、愛情を持つこと、こういった基本的な徳目、モラルを大切にする教育が必要であると思います。
二番目に強調したい点は、家庭教育、学校教育におけます国語力の重要性の問題でございます。言うまでもなく母国語としての日本語、これを正しく使うこと、使いこなすこと、学習すること、これは社会の構成員である私たち個人の間のコミュニケーションの最も基本となる要素でございます。そして、もちろんのこと、それぞれの子供たちの論理的思考力を育て、日本人としての心の豊かさ、情緒を育てる、こういった面においても国語教育が非常に重要だと思います。具体的にはまた教育長から補足があると思いますけれども、読書の大切さ、本を読むことの楽しさ、これをしっかりと教えていかなければならないと思います。
各論の三番目でございますが、算数、数学、そして科学、サイエンスの教育の重要性でございます。昔から読み書きそろばんと申しますように、古くは江戸時代以来の寺子屋教育において、広く庶民に至るまで非常に高い学力の基礎が社会においてはぐくまれてきた、これが私たちの日本の明治時代以降の近代化に大きく貢献したことは間違いない歴史的な事実でございます。教育的な蓄積、文化の蓄積なしにいきなり西洋から近代的な技術なり制度を導入しても、すぐに定着するわけではございません。その土壌となる土台となる要素、これは言うまでもなく国民の教育水準の高低でございます。明治期の私たちの日本の近代化にとって、ある意味で一番大きな要素であったと思います。
この読み書きそろばんのうちの読み書きについては先ほど申し上げたとおりですが、そろばんの部分、算数、数学、そして理科教育、科学、サイエンスの教育、これが非常に大切だと思います。私たちの現在の日本の誇る科学技術水準、これは言うまでもなくこういった科学教育、理科教育、そして数学教育のレベルの高さ、これが非常に今危うい状況にあることは御承知のとおりでございます。この点について強調をさせていただきたいと思います。
四番目は体力に関係することですが、食育の重要性でございます。子供さんたちが地産地消のおいしい仙台産、宮城産の食べ物、お米を含め食べ物を食べ、いわゆるファーストフードなどに偏ることのないような食生活、その大切さを親御さん、あるいは学校教育においてきちっと教えていく。このことが非常に大事だと思っております。
以上が私の教育観の重立ったところでございます。まだ語り尽くせないところはございますけれども、これぐらいにいたします。
そのほかの御質問につきましては、関係の局長から答弁させていただきたいと存じます。
以上でございます。
26: ◯副議長(相沢芳則)当局側にお願いします。答弁は簡潔にお願いします。
27:
◯企画局長(佐藤信夫)私から、二点の御質問にお答えいたします。
一つは、戦略的
シティセールスと世界との交流に関連し、地下鉄東西線(仮称)国際センター駅周辺をコンベンション拠点地区として整備をしてはどうかという御質問でございます。お尋ねの地区は、国際学術研究交流拠点の形成を目指す青葉山地域の顔となるべき重要な場所でございます。そうした位置づけを踏まえまして地下鉄東西線の開業の見通し、こうした位置づけにふさわしい機能の導入を図るべく、可能性の大きいこの地区の今後の整備のあり方につきまして、幅広く検討を進めてまいりたいとそのように考えます。
次に、国際姉妹都市との交流についての御質問でございますが、御指摘のようにこれまでの友好親善を中心とします関係から、それを基礎としながらも実質的な成果の獲得を図るような関係へと変わりつつありますし、また変えようとしているところでございます。例えばある都市とは芸術文化やスポーツの交流、これらに重点を置きまして交流を進め、またある都市とは今後の経済交流や観光面での交流の可能性を探るなど、相手の都市の特性を踏まえた目標を持った柔軟な対応を心がけているところでございます。今後ともこのような観点から国際的な都市間交流につきましては、御指摘のような付加価値のある国際的な都市間連携への展開を図ってまいりたいと、そのように考えます。
二点目でございますが、宮城陸上競技場旧サブトラックをめぐる問題についての御質問でございます。
この問題につきましては、今後宮城県と具体的な協議を行うこととしてございますが、本市といたしましては、とりわけ本市の児童生徒を含めまして、宮城陸上競技場の利用者に極力支障が生じないようにするということが極めて重要な点であると考えてございます。旧サブトラックの取り扱いにつきましては、そのような観点から御指摘の点も含めまして、宮城野原公園内の余裕地その他を最大限に活用することなども含め、本市として具体的な提案を行いながら解決策が見出せるよう対応を図っていく考えでございます。また、こうした当面の対応を踏まえながら、今後再開される県との協議の中で、宮城野原公園総合運動場全体の将来のあり方についても十分に議論を尽くしてまいりたいと考えます。
以上でございます。
28:
◯市民局長(平井俊之)高齢化社会における行政と町内会活動の役割分担等についての御質問でございます。
市民が地域社会の担い手としてコミュニティー活動に積極的に参加をし、まちづくりを進めていくということは大変重要と考えております。しかしながら、少子高齢化や価値観の多様化、あるいは人間関係の希薄化などによりまして、その中心的役割を担ってまいりました町内会においてさまざまな課題が出てきておるところでございます。このような課題を解決し、魅力あるコミュニティーをつくり上げるためには、町内会と行政との関係についても見直し再構築いたしますとともに、地域課題解決に対する協働の仕組みでございますとか、あるいはNPOや団塊の世代を初めとする幅広い世代が参加する
仕組みづくりを検討してまいりたいと、このように考えているところでございます。
以上でございます。
29: ◯健康福祉局長(瀬戸和良)災害弱者への支援策に関する御質問にお答え申し上げます。
高齢者や障害者など災害弱者への支援策につきましては、これまで災害弱者支援マニュアルを作成いたしまして、高齢者については在宅高齢者世帯調査の結果に基づき、また障害者については災害時に支援を希望する方の登録制度によりまして、地域の災害弱者を把握し、民生委員を中心とした支援体制の整備に努めてまいりました。
課題でございますが、災害発生直後の災害弱者への安否確認や避難の援助につきましては、地域におけるさまざまな主体が重層的、補完的に災害弱者を支援していく体制の構築が必要でございまして、このため個人情報の取り扱いにも十分注意した上で、関係機関の御協力も得ながら、早急に取り組んでまいりたいと考えております。
以上でございます。
30:
◯経済局長(五十嵐悦朗)戦略的
シティセールスと世界との交流についての御質問のうち、東南アジア各国との交流促進についての御質問にお答えを申し上げます。
まず、仙台―バンコク間の定期便につきましては、これは昨年四月に、日本・タイ両国間の航空協議において合意に達したところでございます。しかしながら、先ほど市長から御答弁申し上げましたとおり、この路線を取り巻く環境は一層の厳しさを増しておりまして、定期便就航のためにはチャーター便の運航によるさらなる実績の積み上げ等が必要な状況と認識をいたしております。
これまで仙台空港国際化利用促進協議会において就航に向けた活動を推進したところでございますが、今後は仙台からタイへという一方向の流れだけではなく、仙台及び東北の観光旅行商品の造成、PRを行うことによりまして、タイ側のニーズも掘り起こし、双方向の交流を拡大させてまいりたいと考えております。今後、さまざまなネットワークを駆使いたしまして、タイへの関係者への働きかけを強化し、定期路線の開設に向けて取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
次は、東南アジア地域との交流の積極的な促進についてであります。タイ、シンガポールなどの東南アジア諸国は、その著しい経済成長により国民所得も上昇しており、このことは仙台、東北にとりまして将来性のあるマーケットが形成されたことを意味していると考えております。タイ側観光客を迎え入れるビジターズ産業や地元産業の進出、製品の輸出などが今後期待されるところでございます。そのための第一段階といたしまして、現地における
シティセールスを展開し、知名度の向上、仙台という名前のブランド化を図り、交流人口の増大につなげてまいりたいと考えております。
また、東北大学などの知的資源を背景とした最先端技術や新産業創出の取り組みなど、本市の持つ優位性につきまして積極的にPR活動を展開し、将来的には東南アジアにおける成長企業の研究所誘致等につなげてまいりたいと考えております。
以上でございます。
31: ◯都市整備局長(保科学)私からは、シルバーモデルタウンとしてのあすと長町の整備についての御質問にお答えいたします。
あすと長町は、議員御指摘のとおり次の時代の活力を生み出す地域として期待されているものと認識いたしておりまして、そのためだれもが健康で快適な暮らしが持続できる、そういうまちの実現を図っていくこととしております。首都圏からのJターンが見込まれる団塊の世代も含めまして、さまざまな世代の受け皿となるよう住環境の整備を図り、人々が安心してともに暮らすことができるあすと長町のまちづくりを進めてまいりたいと考えているところでございます。
32: ◯消防局長(可沼伸一)消防局所管の御質問にお答えを申し上げます。
初めに、防災フェア二〇〇五の総括についてでございます。このフェアは、市民の防災意識の高揚と防災知識の普及啓発を図ることを目的に、今月初めに仙台駅、勾当台公園、アエルの三会場で開催をいたしました。約十万人の方々に来場をいただいたところでございますけれども、中でも新しい試みの防災まちづくりフォーラムは、本市はもとより全国からこの事業に取り組む方々が集い、先進事例の報告やノウハウを交換し合うなど、画期的な催し物となりました。このフェアは市民の防災意識の高揚には大変有意義なものであると考えておりまして、今後ともこのような場を設けていく必要があるものと認識をいたしております。
次に、減災対策の進捗状況についてでございます。減災対策を進めていく上で、地震による家屋の倒壊等から命を守るということは大変重要なことであると考えております。本市といたしましては、建物の耐震化事業の促進はもとより、家具の転倒防止についての啓発とあわせ、一定の条件の災害時要援護者に対して、転倒防止家具の取りつけを実施いたしております。また、自動販売機のサンプリング調査を行い、関係団体に対しまして据えつけ状況の改善を要望いたしました。今後とも事業手法に工夫を凝らしながら、市民の安全・安心のために全力で取り組んでまいりたいと考えております。